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子どもの虫歯について

子どもの虫歯について

歯の磨き残しによって虫歯になります。ご飯を食べて磨き残してがあると、歯にばい菌が繁殖し糖分を分解して、歯の表面に薄い膜のように付着します。これを歯垢と言い、歯を溶かす酸を出します。

お口の中に糖分が入るたびに酸を出していき、歯の表面が徐々に溶け出していきます。溶け出した最初の状態を脱灰と言います。

しかし、歯は唾液の中に含まれているミネラルによって、歯の表面を再生させます。これを再石灰化と言います。この脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、脱灰の方が多くなると虫歯になり穴が空いてきたりします。

虫歯は何歳からなるのか

歯が生えてない時は、ばい菌が歯に定着しないので虫歯になる事はないですが、歯が生え始めると虫歯になります。

また、口の中に虫歯菌が棲みついてしまうかどうかが虫歯になるかどうか決まります。2歳半から3歳までにはばい菌が住み着くかどうか決まるので、それまでに感染を防ぐ事ができれば、一生虫歯にならないまたはとても虫歯になりにくい口腔内の環境を作ることができるでしょう。

虫歯にならない為に
気をつけるポイント

  • 甘いおやつを、歯に優しいキシリトールなどが入ったお菓子にする
  • よく噛んで食べさせる
  • 食べ終わったらすぐ歯磨きをし、
    保護者さまが確認してあげる
  • 寝る前に歯磨きをしよく睡眠をとる

虫歯にならないために大切な事は、まずは磨き残しがないようにしっかり歯ブラシをすることです。お子さま1人でしっかり磨いてあげれたらいいですが、どうしても残ってしまうので保護者さまが最後に確認してあげて磨いてあげることができたらよいでしょう。

虫歯になりやすい生活習慣

夜更かしをしてしまうと多くの悪影響があります。子どもの成長発育において睡眠はとても大切です。お口の中も同様で、日中は様々な飲食をしているので、唾液の成分や量は変動してきますが、睡眠時はとても安定していて、睡眠時に歯の石灰化が促され歯のダメージが再生します。寝る前にしっかり歯磨きをして、再石灰化に備えて下さい。

甘い物はダラダラ食べさせないことや与え方に気をつけて下さい。チョコレートやスナック菓子など歯にくっつきやすいものより、プリンやゼリーなどが良いでしょう。

子どもの虫歯予防

歯医者で行うケア

  1. フッ素塗布

    3ヶ月ごとに高濃度なフッ素を歯科医院で塗布します。フッ素は、歯を強くしたり酸によって溶け出した歯を元に戻したりする効果があります。歯磨き粉などのフッ素は、濃度が低いので毎日継続する必要があります。

    歯医者で行なうフッ素は、高濃度なので一回の塗布で大きな効果が期待できます。3ヶ月ごとの小児歯科でメインテナンス、フッ素塗布を行い、虫歯になるリスクを下げていきます。

  2. シーラント

    虫歯になりやすい前歯や奥歯の溝にプラスチックの樹脂を詰めて溝を浅くし虫歯になりにくくする処置です。

    生えたばかりの歯は未完成で虫歯になりやすいので、歯が生えてきたらできるだけ早くに小児歯科でシーラントの予防処置を行なうのがおすすめです。噛み合わせや歯軋りで欠けてくる場合があるので、定期的にメインテナンスしましょう。

  3. クリーニング歯磨きでは落としきれない汚れも掃除していきます。虫歯予防のためには定期的に掃除する必要があります。3ヶ月に一度の定期検診が大切です。
  4. 食育指導虫歯になりやすい食べ物や食べ方、おやつの習慣などを指導していきます。

自宅で行うケア

  1. ブラッシング指導

    生えている歯の本数や生え変わりの状態など、発育の段階に応じて磨き方は変わってきますので、成長段階に合わせた正しいブラッシングをご指導します。虫歯を予防するためには歯磨きが大切ですが、子どもだと自分できちんと歯磨きするのは難しいです。

    歯医者で、お子さまに合わせた歯磨きの方法を指導いたします。また、保護者さまの仕上げ磨きもとても重要になってくるので、仕上げ歯磨きの方法もご説明させていただきます。

  2. 食事指導

    食生活は虫歯になりやすいかにも影響はします。おやつの種類、タイミング、時間などです。問診などからお聞きした情報で、改善したい習慣があれば改善できるようアドバイスします。

    虫歯リスクの高い食べ物や、キシリトール製品の効果的な取り方などもお教えします。お子さまの食生活について気になることがありましたら、なんでも相談してください。

乳歯の虫歯について

乳歯の虫歯について

乳歯は、永久歯に比べて歯が脆く虫歯が進行しやすいです。また、虫歯になってしまうのは磨き残しが影響してくるので、磨き残しが多いようなブラッシングを続けてしまうと大人になってからもそのブラッシングで生活してしまい、将来的な大人の歯も虫歯になってしまいます。子どもの頃から、適正なブラッシングのやり方、正しい間食や生活習慣を確立させてあげるのはとても有効です。

また、乳歯で虫歯が深くなり神経を取らないといけないような事になると、放置すると根っこの先が膿んでしまって、生え変わりの大人の歯に悪影響をしてしまいます。

根っこの神経の処置が必要になってきますが、子どもの歯は歯の根っこが開いている状態ですので神経の治療がうまくいかない事があります。
そのような事態にならないように、虫歯にならないための予防はとても大切です。

乳歯の治療方法

不幸にも虫歯になってしまったら、治療しないといけません。治療法は大人の歯とあまり変わらないですが、治療に慣れていない事が多いのでいきなり削るのではなく、鏡で見てもらい虫歯の説明をし、使う器具等の説明をし実際に触れてもらうことで少しずつ慣れてもらいます。

削る際もお水を大量に使うのではなく、少しずつ削ってあげるなど気を配ります!

 
  • C1〜C2 : 虫歯を削りとり空いた穴に樹脂や銀の詰め物をしていきます。
  • C3 : 神経まで広がった場合は、大人の歯と同様に神経を取らないといけません。虫歯を削り、歯と根っこの神経を取り、神経の変わりのお薬を充填していきます。お子さまの神経の治療はその後の生え変わりの歯にも影響してくるので慎重に行います。
  • C4 : 歯の頭がほとんどなくなった、ほとんど根っこだけになった虫歯です。横の歯に接してないので、横の歯や噛み合う歯がだんだん動いていき、永久歯の生えるスペースがなくなり歯並びが悪くなることがあります。膿んだり、悪影響を及ぼすようなら抜歯をするケースもあります。

子どもの歯を守るための清潔な口内環境づくり

子どもの歯を守るための清潔な口内環境づくり

虫歯菌は歯をすみかにするので、歯が生えていない時は虫歯菌がお口に入っても定着はしないです。1歳半くらいになり上下の前歯と奥歯が生えてきたら、注意が必要です。

ご両親の虫歯は、1歳半から3歳くらいまでに移りやすいと言われています。乳歯は永久歯より弱く、感染すると虫歯になりやすく、進行もとても早いです。虫歯菌はうつるので、保護者の方は同じスプーンや箸を使い回したりは避ける必要があります。

子どものお口の細菌のうち、比較的接する時間が長い母親が感染源となる確率が40%、続いて父親が20%です。そのほかに同居する祖父母や兄弟も感染源となります。家族で生活習慣は似てくるので、お子さまの歯を守るためには、家族全員で高い意識を持ちお口の中を清潔にさておきましょう。子どもの頃からしっかりした歯磨きの習慣を作ることがとても大切です。

年齢別の虫歯の発生傾向

1〜2歳 : 上の前歯がなりやすい

歯が生えてきて、かじりとりで食べていく時期なので前歯の裏側に物がたまりやすいです。上の前歯の裏側は、ご両親が歯磨きをして汚れをかき出してください。

飲み物は、哺乳瓶からコップで飲む練習をしても良いと思います。水かお茶をあげて下さい。甘い飲み物や乳酸飲料、野菜ジュースなどは糖分がふんだんに入っているので、虫歯のリスクを高めてしまいます。

2〜3歳 : 奥歯がなりやすい 乳臼歯が生えてくる時期なので、奥歯で物を噛んでくる時期になります。食べ物か奥歯に溜まりやすくなり、虫歯菌も増え虫歯になります。奥歯は見えにくいので、ご両親も磨き残しがないかしっかり注意してあげて下さい。
4〜5歳 : 奥歯の間がなりやすい

大人の第一大臼歯が乳臼歯の奥から生えてくるので、乳歯を押し出し歯と歯の間の隙間が広がることで物がつまりやすくなります。

この時期の虫歯を判断するのは難しいので、目で見てフロスを通しレントゲン撮影などで確認をしていきます。

6歳〜9歳 : 第一大臼歯がなりやすい

6歳ごろから永久歯が生えてきます。生えたての永久歯は未完成なので歯が脆く弱いです。また、最初は歯茎に覆われていたり、横の歯と段差があり汚れがたまりやすいです。

しっかりブラッシングするのと、仕上げ磨きをしてあげてください。できれば小学校中学年くらいまでは磨いてあげて下さい。生えたての大人の歯は、先が尖ったブラシ(タフトブラシ)などで磨いてあげると良いでしょう。

9〜12歳 : 1番奥の歯と
第一大臼歯の間がなりやすい
歯の間は、できたらフロスで磨いてください。

赤ちゃんの歯について

赤ちゃんの歯について

赤ちゃんの歯が生える時期

乳歯が生える時期は生後5〜10ヶ月ぐらいから小さな乳歯が生え始めます。下の歯から順番に生え、3ヶ月くらい遅れて上の歯が生えてきます。全部だと20本、生えそろうのは2歳ごろと言われています。

歯が生えてくる場所や順番

個人差はありますが、
2歳半〜3歳頃に生え揃います。

6ヶ月ごろ 下の前歯(乳中切歯)が生えてくる
10ヶ月ごろ 上の前歯(乳中切歯)が生えてくる
1歳ごろ さらに2本ずつ生えて(乳側切歯)、上下で8本になる
1歳半ごろ 最初の奥歯(第一乳臼歯)が
生えてくる
2歳ごろ 前歯と奥歯の間(乳犬歯)が
生えてくる
2歳半ごろ 1番奥の歯(第二乳臼歯)が生えて、20本の歯が揃う

生えてこないケース

先天的に歯胚(歯のたまご)がなく、生えてこない場合もあります。生えてこないとそこにスペースが生まれ、横の歯や噛み合う歯がスペースのないところに動いてきて顎の成長が抑制され歯並びが悪くなってしまう場合があります。目で見てもわからないのでレントゲンの診断が大切になってきます。

赤ちゃんの歯磨きについて

6ヶ月ごろから、歯が少しずつ生えてきますのでその時期から歯磨きを始めてください。最初は歯が少しだけ見えてるだけなので、ガーゼなどで拭ってあげるだけでいいです。だんだん頭が見えてきたら、歯ブラシに移行しましょう。

そもそも歯磨きを嫌がる場合がほとんどなので、歯ブラシをおもちゃとしてつかったり、綿棒やガーゼから磨いてあげたりゆっくり慣れていくようにして下さい。

オススメの歯ブラシ

歯ブラシは毛のかたさがやわらかいものを選び、お子さまの年齢にあったものを選んであげて下さい。短く、喉にささりにくい歯ブラシなどもあるので、安全なものを選んであげてください。

お子さまの場合は歯ブラシをガシガシ噛んでしまい、毛先が広がってしまう事があります。毛先の開いた歯ブラシはブラッシングの効率が下がるので、仕上げ用の歯ブラシを用意して使い分けてみて下さい。仕上げ用は大人が磨きやすいものをえらんでください。広がった歯ブラシは交換することをおすすめしますので、目安としては月に一回ほど交換してあげて下さい。

お子さまの場合は歯と歯の間のすきまはスカスカなので、デンタルフロスなどはなくてもいいです。ただし顎が狭かったり歯と歯のすきまが狭く磨きにくい場合は、乳歯であってもデンタルフロスをお使いください。

歯磨きを嫌がらせないコツ

子どもが歯磨きを嫌がる理由は、「口の中を触られるのがイヤ!」だからです。

お子さまが小さい場合は、歯ブラシを口の中に入れられるだけで嫌がります。仕上げ磨きの強さが強いと歯ブラシは痛いものと認識していまいます。とくに、歯茎や舌など歯以外の部分に歯ブラシが当たると、痛みを感じやすいため注意しましょう。磨く際は、鉛筆持ちをすると歯茎に無理な力がかからないのでおすすめです。乳歯の奥歯が生えるまでは、虫歯になりづらく無理に歯を磨かなくてよいので、少しずつ慣れるようにがんばりましょう。

対策としては、小さい頃から慣れさせることです。奥歯が生えてくる1歳頃までには歯磨きに慣れさせてあげましょう。最初のうちは持ち手が丸く、短い赤ちゃん用の歯ブラシがおすすめです。大人用よりも小さめに作られているので、違和感は少ないです。毛先の丸いものも、歯茎にあたった刺激も少なくていいです。

慣れてきたら自分で持たせてあげて、口に入れたり遊びに歯ブラシを使うことで慣れさせてあげましょう。転んで喉の奥をささないように見守ってください。